菜緒都による漫画「We are connected」の単行本が、2026年3月30日にリイド社のトーチコミックスから発売された。
本作は、ポッドキャストという現代的なコミュニケーション手段を軸に、ワンルームで言葉を交わす女性たちの対話と、そこから生まれる「つながり」を丁寧に描いた作品だ。トーチコミックスはこれまでも独自の視点を持つ作家を積極的に世に送り出してきたレーベルであり、今回の刊行もそのラインナップにふさわしい一冊といえる。
作者の菜緒都は、「僕らは楽園で結ばれる」でも知られる漫画家。繊細な感情描写と日常の中に潜む人間関係の機微を丁寧に拾い上げる作風が持ち味で、読者からは「読んでいると自分の気持ちを言語化してもらえる感覚がある」と評されることも多い。
「We are connected」というタイトルが示すとおり、本作のテーマは「つながること」そのものだ。ポッドキャストというフォーマットは、顔を見せずに声だけで語り合うという独特の距離感を持つ。その匿名性と親密さが同居する空間の中で、登場人物たちがどのように心を開き、関係を築いていくのかが物語の核心となっている。
SNS全盛の時代にあえてポッドキャストを舞台に選んだことは、作者の意図が感じられる部分でもある。テキストでも映像でもなく「声」というメディアを通じたコミュニケーションは、現代における孤独とつながりの問題を考えるうえで非常に示唆的な設定だ。菜緒都の繊細な筆致と組み合わさることで、単なる青春ドラマを超えた深みを持つ作品になっていると期待できる。
「僕らは楽園で結ばれる」でその実力を示した菜緒都が、今作でどのような世界を構築しているのか。単行本の発売を機に、さらなる注目が集まりそうだ。今後の作者の動向や次回作についても、引き続き情報をお届けしていきたい。