曽根原ツタの小説を原作とするコミカライズ作品「選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。」の第1巻が、本日4月3日に発売された。作画は清音圭が担当している。
物語の主人公は、アントワール王国の第一王女ノルティマ。次期女王の座を目指し、幼い頃から過酷な教育を受けてきた才女だ。しかしある日、婚約者ヴィンスと実の妹が抱き合う場面を目撃してしまう。しかも2人は悪びれるどころか「邪魔者は消えてくれない?」「いっそ君が死んでくれたらいいんだがな」と、ノルティマに容赦ない言葉を浴びせる。
裏切りを突きつけられたノルティマは、「それならお望み通り消えて差し上げましょう」と遺言の手紙を残して王宮を去り、崖から湖へと身を投げる。そのとき、彼女に救いの手を差し伸べる謎の男が現れて——というのが物語の発端だ。誰にも選ばれなかった王女が、本当の幸せを見つけていく"逆転ラブファンタジー"と銘打たれている。
このジャンル、近年の異世界・転生ものの流行を背景に、「虐げられたヒロインが逆転する」という構図は読者からの支持を集めやすい王道パターンだが、本作の肝は主人公ノルティマのキャラクター設定にある。才女でありながら、周囲からは道具のように扱われてきた彼女が、崖から飛び降りるという極限の選択をする冒頭の展開は、単純なざまあ系とは一線を画す重さがある。
原作の小説版は、すでに一定のファンを獲得しており、コミカライズに際して清音圭がどこまで原作の感情的な機微を絵で表現できるかが注目点のひとつだ。ノルティマの孤独や抑圧された感情を視覚的に描ける作画力があるかどうかが、本作の評価を左右するポイントになるだろう。
第1巻の購入特典は、アニメイト、メロンブックス、とらのあな、ゲーマーズ、三洋堂書店でそれぞれ用意されている。書店ごとに異なる特典が手に入る可能性が高いため、原作ファンや複数店舗での購入を検討しているコレクターは、各店舗の情報を事前に確認しておくといいだろう。
逆境から幸せを掴む王女の物語が、コミカライズを通じてどんな広がりを見せるのか、今後の巻の展開にも引き続き注目したい。