あーもんど原作、かしい葵作画による漫画「愛する婚約者に殺された公爵令嬢、死に戻りして光の公爵様(お父様)の溺愛に気づく ~今度こそ、生きて幸せになります!~」の第1巻が、2025年4月7日にスクウェア・エニックスより発売された。
本作は、婚約者に命を奪われた公爵令嬢が時間を遡り、やり直しの人生の中で「冷酷」だと思い込んでいた父親の本当の愛情に気づいていく物語だ。タイトルだけ見ると重厚なダークファンタジーを想像しがちだが、実際には父と娘の温かな絆を軸に据えた、ほっこりとした雰囲気の異世界ファンタジーとなっている。
「死に戻り」や「転生・やり直し」系のファンタジーは近年のマンガ・ラノベシーンで定番ジャンルとして定着しているが、本作がユニークなのは恋愛や復讐よりも「父娘の関係修復」にフォーカスしている点だ。ヒロインが過去の自分の視点のバイアスに気づき、父親の溺愛に改めて向き合っていく展開は、同ジャンルの中でも一味違う感情的な深みを持っている。
原作のあーもんどは、WEB小説発の作品を手がけてきた書き手で、こうした「家族愛×やり直し」の組み合わせは既存のファン層にも受け入れやすい設定といえる。コミカライズを担当するかしい葵の絵柄も、令嬢ファンタジーの雰囲気にマッチしており、読みやすい作風に仕上がっている印象だ。
スクウェア・エニックスはこのところ、女性向け異世界ファンタジー漫画のラインナップを積極的に拡充しており、本作もそのひとつとして位置づけられる。同レーベルの作品群はコミックスの売り上げが安定していることでも知られており、本作が今後シリーズとして続いていく可能性は十分にある。
令嬢ものの「やり直し」系が好きな読者にとっては、恋愛メインではなく家族との絆を描いた本作は新鮮に映るはずだ。婚約者に裏切られた痛みを乗り越え、今度こそ「生きて幸せになる」と決意したヒロインの物語がどこへ向かうのか、今後の展開に注目したい。