劇場アニメ「ひゃくえむ。」のBlu-rayボックスを飾る、原作者・魚豊による描き下ろしイラストが公開された。スタート直前のトガシを捉えたという構図が、作品の緊張感をそのまま封じ込めたような一枚になっている。
公開されたイラストは、魚豊がBlu-rayボックスのために書き下ろした完全新作のビジュアル。原作マンガのファンにとっても、劇場版で本作を知ったという人にとっても、手元に置いておきたくなる仕上がりだ。映像特典についても情報が明かされており、パッケージとしての充実度はかなり高そうだ。
「ひゃくえむ。」は、魚豊原作のマンガを劇場アニメ化した作品。魚豊といえば「チ。―地球の運動について―」でその名を広く知られるようになった気鋭の作家で、本作はそれ以前に手がけた陸上競技をテーマにした作品だ。
物語の主人公は、天才スプリンターのトガシ。幼い頃から100メートル走で無敵を誇り、努力などとは無縁だった彼が、小学6年生のときに転校生のコミヤと出会う。才能はないが勝利への執念だけは誰にも負けないコミヤに、トガシは走ることの意味を教えていく。やがて月日が流れ、二人はトラックの上でライバルとして再会することになる。
スポーツ作品でありながら、単純な熱血路線ではなく、才能とは何か、努力とは何かという問いを静かに掘り下げていくのが魚豊作品の特徴だ。「チ。」でも描かれた「何かに憑かれたように突き進む人間の業」が、この作品にも色濃く流れている。
ROCK'N ROLL MOUNTAINがアニメーション制作を担当しており、原作の持つ独特の空気感と画力をどう映像に落とし込むかが注目されていた。スコアも8.30と高い評価を受けており、劇場公開時から作品への評価は高かった。
描き下ろしイラストでスタート直前のトガシが選ばれたというのは、意味深長だ。あの瞬間の静けさと爆発寸前の緊張感こそ、この作品の核心にある。原作者自身がその場面を選んだことで、Blu-rayボックスはただのパッケージを超えた、作品への愛着が詰まった一品になりそうだ。
映像特典の詳細を含め、Blu-rayボックスの発売に向けてさらなる情報が公開されることに期待したい。