グランドジャンプ15周年を記念した読み切り企画の第2弾として、「池袋フィンガーズラブ」が本日4月1日発売のグランドジャンプ9号(集英社)に掲載された。原作を山下素童、作画を藤原ハルが担当するコラボ読み切りだ。
山下素童は「昼休み、またピンクサロンに走り出していた」「彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった」などの原作で知られる書き手で、性や欲望をめぐる人間の本音をリアルかつ赤裸々に描くことで独自の地位を築いてきた。一方、作画を担当する藤原ハルは「元気でいてね」で注目を集めた漫画家で、繊細な感情描写に定評がある。
タイトルに「池袋」「フィンガーズラブ」という言葉が並ぶだけでも、山下素童らしい匂いが漂ってくる。今回の読み切りは「童貞底辺配信者」を主人公に据えた物語とのことで、現代のインターネット文化と性、孤独が交差するようなテーマが予想される。
山下素童の原作作品は、いわゆる"こじらせた男性"の内面を容赦なくえぐり取る筆致が持ち味で、読後にじわじわと効いてくる後味の悪さと共感が同居する独特の読み心地がある。「底辺配信者」という設定は、承認欲求と自己嫌悪の塊のような現代的なキャラクター造形として非常に機能しやすく、山下素童の世界観との相性は抜群と言えるだろう。
そこに藤原ハルの繊細な絵が加わることで、生々しいテーマがどのように昇華されるかが今作最大の見どころではないだろうか。ドロドロとした感情を丁寧な線で描くというギャップが、読み切りという短い尺の中で化学反応を起こす可能性を秘めている。
グランドジャンプ15周年の読み切り企画は、こうした個性的な組み合わせを積極的に試みているようで、第1弾に続いて話題性のある布陣となっている。15周年という節目に、雑誌としての挑戦的な姿勢が見て取れる。
グランドジャンプ9号は本日4月1日発売中。今後の15周年企画でどんな顔合わせが飛び出してくるか、引き続き注目していきたい。